たぬき 【狸/貍】ー大辞林 第二版 (三省堂)
たぬき 【狸/貍】
(1)イヌ科の哺乳類。体長65センチメートル内外。長毛が密生しているので太ってみえる。雑食性で、平地から低山の岩穴などにすむ。日本全土・朝鮮・中国などに分布。キツネと並んで民間伝承や民話によく登場し、人間をだまそうとするがどこか間が抜けていて、キツネよりは概してユーモラスに取り扱われる。驚くと気を失い、しばらくすると起きて逃げ出すので「たぬき寝入り」などという言葉も生まれたという。毛皮は防寒用、毛は筆に用いる。[季]冬。
(2)(比喩的に)表面はとぼけているが、裏では策略をめぐらす悪賢い人のこと。
「あいつは相当の—だ」
(3)「狸寝入り」の略。
「—をきめこむ」
(4)「狸饂飩(うどん)」の略。
(5)「狸汁」の略。
——の睾丸(きんたま)八畳敷(はちじようじき)
狸の陰嚢が大変広くひろがることをいう。
——の腹鼓(はらつづみ)
(1)月夜に狸が腹を鼓のように打って楽しむと言い伝えられること。
(2)狂言名(別項参照)。